「グランドホテル方式」という言葉がある。映画の一手法で、同じ時間・同じ場所に集う人物の行動などを、同時進行的に描く手法である。映画『グランド・ホテル』からきている。文化祭で賑わう校舎の写真を見て、感覚的にこの言葉が浮かんできた。2階のオレンジのユニフォームが、なんとなくビートルズのアルバムジャケットを連想させる。〈文責:校長〉撮影10月9日 ★中塚一碧楼(なかつか いっぺきろう 1887~1946)…玉島勇崎出身の俳人。河東碧梧桐の新傾向俳句運動に参加。【広辞苑】に人名掲載。 秋の日の日中の野の石のぬくみ 一碧楼 夏の海水浴場の石の熱さは誰しも記憶があるのではないか。耳に当てて、水を出したことが何度かある。この句の野の石は、小さな石仏あるいは、その横の腰掛けられるくらいのただの石かもしれない。秋の石には、まさに“ぬくみ”がある。文化祭の日の校舎に、石のぬくみをかんじた秋の一日(ひとひ)である。 若いせいか知らねど何となう商ひに身入らず、あはれ紅葉明かる 一碧楼 “渇(かつ)!”のち“天晴れ(あっぱれ)” 雨雲を洩る日のひかり人人よ隣り住めるよ 一碧楼 人々が隣に住んでいる。我々は、家族・親族、近所・学校・会社の人などの共同体の中に住んでいるのです。