《 微妙な距離をとるハトの親子 》                                                 中間考査期間中の午後、会議中の教育相談室に突然小バト(生後数日)が飛び込んできました。特に相談はなく、じっとしているので、教員が蘇鉄の巣の下に小バトを連れて行きました。蘇鉄の巣では、親バトがキョロキョロと探していましたが、やがて気づき、舞い降りてきました。親子間の微妙な距離を保ちながら、しばらく沈黙が続いていたので、大事な話があるに違いないと傍観者は場を外しました。その後、羽音と共に、学校の向かい側の民家の庭木に飛んで行く鳩を窓越しに見ることができました。親バトに連れられ、無事巣立ちしたのでしょう。そうにちがいありません。〈文責:校長〉撮影10月26日◇【玉商百景51】花蘇鉄と鳩の抱卵よりつづく                                                                                          秋の日暮るる垣のそとのひろびろ       一碧楼                                                                   玉商の正門の両側は生け垣になっている。巣立ちした小バトにとって、生け垣の外の世界は広々としたものであろう。本当は、親バトのふくらんだ羽毛の下の世界と変わらないのだが…。                                                                                           秋の日の相談室のぐるるっぽー  玉    ※「ぽ」…ほ+○                                                                 「鳩が豆鉄砲を食ったよう」という言葉がある。広辞苑によると「あっけにとられてきょとんとしているさま」をいう。小鳩の訪問を受けた会議中の教員は、この言葉を具現化した表情をしたのではないかと想像する。鳩を巣に帰そうとした教員は鳩を飼ったことのある、“鳩愛”の強い教員であった。