エピソード1:「山頭火(さんとうか)を知っとるか」「知りません」「なら、これを読め」。大学1年の春、岡山県育英会東京寮入寮直後、同室の先輩との会話である。                                                エピソード2:『分け入っても分け入っても青い山  山頭火』の句の意味がわかった気がしたのは、大学1年の秋、伊豆天城山を二日間かけて縦走した時だった。                                                            エピソード3:『「青い山」は「青山(せいざん)」であり、死地を意味している。』という文を読んだ時、自分は甘いと思った。〈文責:校長〉撮影12月22日                                                                                                        岩のよろしさも良寛さまの思ひ出  山頭火                                      漂泊の俳人種田山頭火。山頭火が良寛さんを詠んだことがうれしい。山頭火の句碑が、白華山の円通寺参道にあることが、とてもとてもうれしい。ここでは、山頭火のことは説明しない。私の好きな句を書いてみる。                                                                         ◇分け入つても分け入つても青い山                                                                                               ◇鉄鉢の中へも霰 (てっぱつのなかへもあられ)                                                             ◇うしろすがたのしぐれてゆくか                                                                                                                                                                                                                                                ◇まつすぐな道でさみしい                                                                                                                           うどん供へて、母よ、わたしもいただきまする                                         てふてふひらひらいらかをこえた                                                      玉島にあまた酒蔵去年今年  玉                                                                      ※季語:去年今年(こぞことし)…行く年来る年                                                        昭和11年正月、岡山まで来た山頭火は円通寺に詣でている。玉島の美酒を、山頭火が飲まずに帰ったとは思えない。……ここまで書いていて、思い出したので写真を二枚追加する。撮影は11月17日仲買町にて。記憶力の減退に唖然としている。