〈仮股川橋梁…2号線バイパス側から溜川東岸方面を見る〉                                                                            “ドラム缶の浮橋”(百景35)につづく玉商周辺産業遺産シリーズの第二弾、“幻の玉島臨港鉄道”です。◇玉島臨港鉄道は、玉島駅(現在の新倉敷駅)から溜川(ためがわ)東岸を通って乙島地区を結ぶ全長6.1㎞の路線として、昭和36年に着工。しかし地盤沈下などのため工事が中断。昭和51年、計画は白紙に戻され未成線となりました。◇写真の橋梁(きょうりょう)を含め数箇所に橋梁が残っています。写真上部のように、敷設予定地が道となって残っているところも多くあります。この道の延長上には、国道429にかかる跨線橋があります。跨線橋の上を行く臨港鉄道を是非見てみたかった。しかし、地盤沈下などは事前にわからなかったのでしょうか。玉島港から遠く離れたところに敷設(ふせつ)された山陽本線は、玉島の地盤が緩いために山際に造られました。(国策として直線を維持し、早く下関に到達したかったことも一因。)明治の智恵は、昭和に活かされなかったのでしょうか。〈文責:校長〉撮影11月20日                                                                                                                                                                ◇引用:NPO法人溜川を美しい川にする会「玉島・溜川周辺ためコロジーマップ」                                               ※ノートルダム清心女子大学公開講座「岡山の歴史的都市」(河合保生准教授)                                                         機関車とそれはすつかり別ものの草にゐるかまきり  一碧楼                                                                                                                                                               一碧楼の俳句には汽車や電車の句が多い。乗り物好きであろうか。一碧楼の句の中では、上記の句が鉄道を詠んだものとしては一番好きだ。                                                                                                                         軽便の走る国なり冬うらら   玉                                                                                           岡山は軽便王国である。三蟠鉄道、西大寺鉄道、下津井電鉄、井笠鉄道、片上鉄道、玉野市電、岡山臨港鉄道などはすべて廃線となった。下電と井笠には乗車もしたし思い出もたくさんある。西大寺鉄道は、乗ったことはないが廃線跡を一人で踏破した。池田動物園に行くと、井笠鉄道の機関車と西大寺鉄道の客車に逢える。笠岡には、コッペル蒸気機関車が保存されている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           夏草に汽罐車の車輪来て止る  山口誓子(やまぐちせいし)                                                                                                                                                                 鉄道俳句の頂点。汽罐車(きかんしゃ)=蒸気機関車がゆっくり止まる。“ギーッ”(本当は表現が困難な音)と音が聞こえるようではないか。ホームで待っていて、あの音を聞いたことのある人なら、わかってもらえると思う。書きながら興奮してきている。この句の前では、いつも少年である。